令和7年度決算 1,038.7億円。
市が発表した「令和7年度決算のポイント」を、カコモなりにかみ砕いてまとめてみました。数字がたくさん出てきますが、まずは①黒字が続いているか ②借金(市債)は増えているか減っているか ③貯金(基金)はどうか、の3点だけ押さえれば大丈夫です。
決算の概要
一般会計:歳入1,052.5億円・歳出1,038.7億円、実質収支2.4億円の黒字。特別会計:歳入578.9億円・歳出576.2億円、実質収支2.7億円の黒字。
歳入(一般会計)
歳入総額は前年度比+6.0%の1,052.5億円。市税が個人市民税・固定資産税の増加等で+21.0億円、市債が保育所整備・スポーツ交流館改修等で+19.6億円増えた一方、地方特例交付金(定額減税減収補填分)の減少等でその他の依存財源が9.7億円減った。
歳出(目的別)
歳出総額は前年度比+5.7%の1,038.7億円。児童手当給付の増加等で民生費+23.4億円、旧公設地方卸売市場の整理で商工費+10.7億円、駅周辺再整備基金への積立で土木費+27.1億円が主な増額要因。衛生費はし尿終末処理施設整備の完了で13.0億円減った。
歳出(性質別)
人件費・扶助費・公債費などの義務的経費が590.6億円(56.9%)。扶助費(+6.9億円)や普通建設事業費(+17.6億円)が増え、加古川駅周辺再整備基金への積立などで「その他」も+20.9億円増加した。
市債残高・基金残高
市債残高は約737億円で、新規発行額(約20億円増)より償還額が上回ったため前年度から減少。基金残高は加古川駅周辺再整備基金の創設もあり約253億円(前年度比+12億円)に増加した。
主な財政指標
財政力指数0.826(財源にゆとりがあるほど1に近づく指標。前年度から悪化)。経常収支比率93.0%(財政の弾力性を示す指標。低いほど余裕があり、前年度より1.0ポイント改善)。実質公債費比率1.5%(借金返済等の負担割合。改善傾向)。将来負担比率は「-」表示で、実質的な将来負担はマイナス(なし)の状態。
特定財源の使いみち
消費税増税分の地方消費税交付金(社会保障財源化分、約38.0億円)は子育て支援や介護・医療分野に充当。都市計画税(道路・公園・下水道整備等に約47.3億円充当)、入湯税(観光振興に約1.3億円充当)も、それぞれ使いみちが法律で定められている。
数字だけ見ると難しそうですが、要は「黒字を10年間キープしながら、借金を少しずつ減らし、貯金を増やしている」というのが加古川市のいまの状態です。この決算チャレンジでは、この黒字や貯金がどんな事業の積み重ねでできているのか、款ごとに詳しく見ていけます。
款をタップして、クイズ・審査シミュレーションに挑戦
法定給付 421.0億円・裁量事業 208.9億円(事業カードとして把握できている範囲のみ。カード外の金額は含みません)
款ごとのバーにある灰色の部分(事業カード外)を見ると、款によって割合がかなり違います。総務費は71%、消防費は78%、土木費は62%、農林水産業費は58%、衛生費は58%、教育費は50%——決算総額の半分以上が、個別の「事業」としては評価されていません。
この中身の多くは、その分野を支える市職員(本庁職員や消防吏員など)の人件費だと考えられますが、事業別のデータからは丸ごと見えなくなっています。「人件費削減」を掲げる行政改革が、実際には委託への置き換えに過ぎないのかどうかは、この決算書だけでは判断できません。
学童保育の運営委託(教育費、約2.9億円)、見守りカメラの設置・管理(総務費、委託先の68%がALSOK1社に集中)、水泳授業の指導委託(教育費、約1.0億円)——これらは実態としては人件費が中心の支出ですが、決算書上は「委託料」という一括りの金額でしか出てきません。
「委託料」と「人件費」は決算統計上まったく別の区分ですが、実質的な人的コストという意味では地続きです。委託が悪いわけではありませんが、外から金額だけ見ても中身は分かりません。
土木費: 事業一覧にも支払先明細にも出てこない20億円の基金積立(加古川駅周辺再整備基金積立事業)、23.4億円の下水道事業会計への繰出金
衛生費: 加古川市民病院機構への負担金16.7億円(事業一覧の中で最大)、加古川医師会が6事業にまたがり合計9.35億円受給
商工費: 第三セクター・加古川再開発ビル株式会社への出資金5億円、繰越額の47%(約5.88億円)の使途が公開資料から追えない
農林水産業費: 事業一覧に出てこない見土呂フルーツパーク管理運営事業(4,000万円、単一の委託先に100%集中)
総務費: 加古川市ウェルネス協会が3事業にまたがり合計1.26億円受給
教育費: シルバー人材センターが14事業にまたがり合計7,251万円受給
議会費: タブレット端末やペーパーレス会議システムの費用対効果は、決算書の数字だけでは判断できない
法律や条例で金額がほぼ決まっている「法定給付」と、市の判断で増減できる「裁量」の事業を分けてみると、款によって性格がかなり違います。公債費(借金の返済)と議会費(人件費・政務活動費)は、事業カードで見る限り100%が法定給付です。
逆に土木費・消防費・商工費・農林水産業費・労働費は、事業カードで把握できる範囲では法定給付0%、つまり理論上はすべて市の判断で増減できる裁量事業です。ただし実際には、道路や消防のように「削ると生活に直結する」事業も多く、制度上「裁量」でも実質的には削りにくいお金もあります。
性質別に見ると、扶助費(生活保護・児童手当など、法律に基づく給付)が320.7億円で全体の30.9%を占め、最大の項目です。人件費・扶助費・公債費を合わせた「義務的経費」は590.6億円(56.9%)にのぼり、市の裁量ではほとんど動かせません。
少子高齢化が進む中、この割合は今後も上がっていく可能性があります。「予算を削る/増やす」という議論の前に、そもそもどれだけのお金が最初から動かせないのかを知っておくことは大事です。
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各款で下した「増額・維持・減額・廃止」の判断を、この端末・このブラウザの記録から集計します。性格診断や統計的な調査ではなく、今回の判断内容を振り返るための遊びの範囲の結果です。
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